世界制覇を目指すウォルフォウィッツ・Dと日本のイージスアショア
- 2018.01.22 Monday
- 01:26
安倍晋三政権は地上配備型の「イージス・アショア」を日本へ導入するが、このシステムが使用するランチャーは攻撃型の巡航ミサイルであるトマホークと同じで、ソフトウェアーを変更すれば攻撃用の兵器になるという。
そこでロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は1月15日に懸念を表明したのだが、それに対して日本側はこのミサイルシステムについて、
このシステムは日本が独自に管理し、国民の生命と財産を守る純粋に防衛的なものだと反論したと伝えられている。
言うまでもなく、日本のあり方を決めているのはアメリカの支配層。
システムを日本人が操作するかどうかに関係なく、アメリカの戦略、戦術に従って運用される。
ヨーロッパの場合、アメリカ支配層はロナルド・レーガン政権時の約束を無視してNATOの勢力圏を東へ拡大、ロシアの国境線近くにミサイルを配備した。
ミサイルを配備する理由はイランの脅威。説得力は全くない。日本のイージス・アショアや韓国のTHAAD(終末高高度地域防衛)も同じことが言える。
日本がロシアに「心配するな」と言った16日、アメリカ軍はグアムにB-52を配備し始めた。
グアムにはそのほかB-1爆撃機の部隊が存在、ミズリー州のホワイトマン空軍基地からは3機のB-2ステルス爆撃機が派遣されている。
1990年代から日本政府は急ピッチで自国をアメリカの戦争マシーンに組み込んできた。
細川首相は武村正義官房長官の更迭に向かって動いたが、これはアメリカからの圧力、あるいは命令があったからだと言われている。
人脈的にも内容的にもナイ・レポートの基盤は1992年2月に作成されて国防総省のDPG草案、いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンだ。
作成の中心が国防次官だったポール・ウォルフォウィッツだったことからウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。
1991年12月にライバルだったソ連が消滅、ロシアを属国化することに成功したことからウォルフォウィッツたちはアメリカが唯一の超大国になったと認識、
比較的大きな中国を潰すために東アジア重視を打ち出すと同時に、潜在的なライバルを破壊しようとする。
アメリカは単独行動を辞さないとも宣言している。
ウォルフォウィッツ・ドクトリンの第1草稿が書かれたのは1991年9月のことだが、その頃、ウォルフォウィッツはイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていたという。
これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官が2007年に語っている。(3月、10月)
この第1草稿が書かれる2カ月前、ロンドンでG7首脳会談が開かれ、そこにはミハイル・ゴルバチョフも招かれていた。
ここでゴルバチョフは新自由主義の導入を要求され、難色を示したと言われている。
その翌月にソ連ではクーデター未遂があり、西側の完全な傀儡だったボリス・エリツィンが主導権を握って12月にソ連を独断で解体してしまった。
そして1992年2月に作成されDPG草稿が今でもアメリカでは戦略の基本になっている。
大統領選挙中、ドナルド・トランプはこれから離れる姿勢を見せていたが、今ではしっかり結びついた。
日本もこの戦略に従って動いている。
経済が破綻し、ドルが基軸通貨の地位から陥落しそうなアメリカは窮地に陥っている。
世界の覇者になるためには中国とロシアを屈服させるか、破壊するしかない。
そうした状況の中、日本はイージス・アショアを導入したのだ。
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