トランプ氏と大英帝国    田中宇氏の視点

  • 2018.06.18 Monday
  • 00:06

 

 

★英スクリパリ事件と米イラン協定離脱の関係

 

 濡れ衣的なロシア敵視は英米の昔からの戦略であり、その意味で英国の世界戦略に合致している。

 

 

だが英政府は今回、最初から意図してロシアに濡れ衣をかけようとしたのでない。

 

意図的な濡れ衣攻撃なら、もっと用意周到にやるはずだ。

 

 

英政府は、早々と「ロシアがノビチョクでスクリパリ親子を殺そうとした」と間違った断定をしてしまったので、その後、この断定と矛盾する事実がどんどん出てきた時、

 

証人であるスクリパリ親子を口封じのため軟禁したり、マスコミに報道を抑えさせたりするしかなかった。

 

英政府は困窮している。

 

 

これは英政府が意図した結果でない。

 

 

メイ政権の英政府は、内部もしくは外部の勢力に「はめられた」可能性が高い。

 

メイやジョンソンは、ウソのロシア犯人説を信じ込まされ、間違った断定を発表してしまった。

 

英政府が訂正すると、ロシアを優勢にしてしまうので訂正できない。

 

 

 

 メイら英政府を騙して「はめた」のは誰か。

 

 

ロシアや中国といった「敵方」ではない(露中が英政府にロシア敵視の濡れ衣をかけさせるはずがない)。

 

犯人は味方の陣営にいる。

 

一番やりそうなのは、米国のトランプ政権である。

 

 

米覇権放棄・世界の多極型への転換を隠然と進めるトランプたちは、

 

転換を阻止する英国を無力化するために、米英諜報界の一体性を使い、スクリパリ事件を起こしたのだろう。

 

 

トランプ陣営傘下の米国の諜報部隊が英諜報界の気脈を通じた勢力を動かしてスクリパリ事件を起こし、メイ政権を騙してロシア犯人説を断言させ、あとで窮地に陥らせたというのが私の読みだ。

 

 

 

 戦後の米覇権の黒幕である英国は、ベトナム戦争やイラク侵攻など、米国がわざと過激で稚拙な戦略をとり、覇権を粗末に扱って覇権放棄を目指すたびに、それを帳消しにする行動をとり、米国の無茶苦茶な言動に対してうまい説明をつけてやったり、米国の単独行動に国際協調の衣を着せて国際社会の対米離反を抑えたりしてきた。

 

 

英国は軍産複合体を通じて米国の覇権戦略を牛耳ってきたが、米国(米英?)の上層部には、それを迷惑だと考える勢力がいた。

 

 

彼らは、覇権戦略を意図的に過激・稚拙にやって覇権を自滅させて英国と軍産を振り落とそうとする「隠れ多極主義」の動きを続けてきた。

 

 

トランプは、ニクソン、レーガン、ブッシュとともに、その系譜の中にいる。

 

 

これは、米英諜報界内部の戦いであり、外部から実体がとても見えにくい。

 

だがこの戦いが、戦後の世界史の中枢にある。

 

 

 

 

▼トランプがイランを敵視するほど世界が多極化する

 

 

http://tanakanews.com/180523iran.htm

 

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  • 2018.10.23 Tuesday
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