トルコの通貨危機   トランプの計画

  • 2018.08.18 Saturday
  • 23:25

 

 

トルコ通貨危機はいかにして起きたのか
2018年8月10日
Moon of Alabama

 

 

トルコのエルドアン大統領は‘外国勢力' (つまりアメリカ)が彼を失脚させたがっていると、しばしば主張する。

 

 

‘金利ロビー' (つまり(ユダヤ人)銀行家)がトルコに損害を与えたがっていると彼は言う。

 

二つの点で、彼はそれなり正しい。

 

 

先週以来、トルコ・リラは、ひどく下落している。エルドアンは誰かのせいにする必要があるのだ。

 

とは言え、エルドアンの経済政策こそ、まっさきに責められるべきだ。借りた外貨で彼が作り出した長い好況期が、とうとう破綻しつつあるのだ。

 

 

 

アメリカがひきおこした'アラブの春'の際には、アメリカのオバマ大統領は、カタールとトルコと協力して、 中東中にムスリム同胞団の政権を据えようとしていた。

 

ヒラリー・クリントンが国務長官の座を去り、ジョン・ケリーが引き継ぐと、オバマ政権は姿勢を変えた。

 

選挙で選ばれたエジプトのムルシー大統領に対するクーデターを支持したのだが、

シリア政府打倒に、アメリカ軍を使う活動は控えた。

 

 

トルコは貧乏くじを引かされた。

 

エルドアンは、アメリカのシリア政府打倒という計画に賭けていた。

 

彼がシリア難民を受け入れ、シリア国内で戦う過激イスラム主義者を支援したことで、膨大な費用がかかり、多数の問題ももたらされた。

 

 

シリア経由の湾岸諸国へのトルコ貿易経路は閉鎖された。イランとの経済関係もまずくなった。エルドアンとしては、そこから何かを得る必要があったのだ。

 

 

ところが、アメリカ政策が、彼に敵対したのだ。

 

2013年のゲジ抗議行動は、アメリカによるカラー革命の企てのあらゆる様相を帯びていた。彼らはしくじった。

 

 

クルド労働者党は、トルコ東部と北シリアと北イラクに自分たちの国を作ろうとしているテロ組織だ。

 

 

2015年中期の、トルコが率いるラタキアとイドリブに対する攻撃に対応して、ロシアは、軍隊をシリアに配備した。

 

 

後から考えると、その時点で、エルドアンのシリアでのゲームは終わっていたのだ。

 

 

2015年11月、トルコ防空部隊が待ち伏せし、ロシア戦闘機を撃墜した。ロシアはトルコとのあらゆる経済関係の全面停止で対応した。

 

 

トルコにとっての経済的損失は膨大だった。エルドアンはロシアに屈せざるを得なかった。

プーチンは寛大で、エルドアンが面子を保つのを認めてくれた。

 

 

2016年中頃、CIAが、エルドアンに対する武力クーデターを画策したが、ロシア諜報機関がエルドアンに警告して、クーデターは失敗した。

 


トルコを"西"から "東"陣営にひっくり返すことは、ロシアの黒海戦略の一環と見なすことができる。

 

 

だが、これは、次の儲かる冷戦のためにNATOを復活させるというアメリカの計画と衝突する。

 

そこで、現在のアメリカ計画は、トルコ経済問題を、最終的に、エルドアンを失脚させるのに利用することだ。

 

 

大局的な経済構図

 

 

トルコ国外では、エルドアンは、かなり嫌われている。

 

彼の傲慢さと独裁的スタイルは良い印象を残さない。だが、トルコ国内では、彼は大成功をしており、国民の大多数から支持され続けている。この理由は、彼が作り出した長い好景気だ。

 

 

しかしながら、エルドアンの拡大主義の経済計画は、トルコを、より脆弱にもした。

 

トルコは慢性的に経常収支赤字だ。

 

トルコは、輸出以上に商品とサービスを輸入しており、差額を埋めるために、外貨を借りるしかなかった。

 

 

 

好景気の間、トルコ中央銀行の金利は、かつての高さより下がったものの、依然、どこの国の金利よりも高かった。

 

 

通常の条件下であれば、トルコ中央銀行は、16年もの長い好景気の間に、何回かの穏やかな景気後退を仕組んでいるべきだった。

 

 

エルドアンは経済理論の奇妙な理解をしている。彼は高金利はインフレを引き起こすと思い込んでいる。

 

 

トルコ中央銀行が、インフレを抑制し、リラの下落を止めるために金利を上げる度に、エルドアンは中央銀行に対して厳しい発言をし、その独立を恫喝した。

 

 

2017年初め以来、トルコのインフレが高まり始めた。以来、8%から、今や15%に上がった。通貨は下落した。

 

 

長年の好景気のつけが現れつつあるのだ。トルコ・リラは崩壊しつつある。トルコに更に金を融資しようという外国人は皆無だ。

 

 

現在のエスカレーション

 

 

先週の通貨危機エスカレーションは、アメリカ合州国との小さな紛争のエスカレーションと同時に起きた。

 

 

2016年のクーデター未遂後、トルコは、長年トルコで働いていたアメリカ人牧師アンドリュー・ブランソンを投獄し、彼をテロで告訴した。

 

 

先週、アメリカ側が、エルドアンが交換取り引きを撤回したと述べた。

 

   イスラエルで、テロ容疑で投獄されているトルコ国民を、ブランソンの解放と交換するようトランプ本人がまとめたうまい取り引きのはずだった。

 

ところが、水曜日、トルコ裁判所が、牧師を帰国させるのではなく、彼を自宅監禁に変え、彼の裁判を継続すると命じ、合意はどうやら崩壊した。

 

 

トランプと福音派のペンス副大統領は逆上した。

 

 

    木曜日朝、エルドアンとの憎悪に満ちた電話会話の後、トランプは反撃した。

 

アメリカ合州国はトルコに“大規模経済制裁を課す”と彼はツイートした。

 

“この無辜の宗教者は即座に解放されるべきだ。”

 

 

アメリカは長年のNATO同盟国の閣僚二人を制裁した。ところがエルドアンは屈しなかった。

 

 

市場は公的な経済制裁に反応し、経済制裁の脅威に答えた。

 

リラは、1ドル、4.80リラから、1ドル、5.20リラに下落し始めた。

 

水曜、トルコ代表団は、ワシントンを訪問し、問題で更に交渉を進めようとしたが交渉は失敗した。リラは更に、1ドル5.50ドルに落ちた。金融市場は不安になった。いさかいの好ましからぬ結果がヨーロッパの銀行に影響を与える懸念がある。

 

 

今朝、エルドアンが演説し、リラ崩壊の恐怖を切って捨てた。

 

 

“様々な組織的活動が行われている。気にすることはない”とエルドアンは述べた。

 

 

“忘れてはいけない。彼らにドルがあるなら、我々には我が国民、我が神がいる。我々は一生懸命働いている。16年前、我々がどうだったか振り返り、今の我々を見よう”と彼は言った。

 

 

昼、リラは分刻みに、一日20%の率で下落した。

 

 

ドナルド・トランプ本人がTwitterで口をはさんだ。

 

 

ドナルド・J・トランプ @realDonaldTrump -  - 2018年8月10日 12:47 utc 


彼らの通貨トルコ・リラが我々の極めて強いドルに対し急速に下落する中、トルコ鉄鋼とアルミニウムの関税を倍にするのを承認したばかりだ! アルミニウムは今後20%で、鉄鋼は50%だ。現時点で我々のトルコとの関係はよろしくない!

 

 

鉄鋼はトルコ最大の輸出商品の一つだ。アメリカは年間10億ドル以上のトルコ鉄鋼を輸入している。ホワイト・ハウスは後に、この関税は、貿易ではなく、安全保障に関連していると述べた。

 

 

一方、エルドアンはロシアのプーチン大統領と電話会話をし"経済的なつながりについて話しあった"。彼は緊急融資を依頼した可能性がある。

 

 

一方、リラは対米ドル6.80に下落した。

 

 

エルドアンは、そこで、トランプや彼のツイートには触れずに、アメリカの圧力を強く非難する演説をした。

 

 

その日の終わりに、リラは、昨日の対米ドル、5.50の後、6.50になった。トルコの株は約2%下落した。

 

 


今後の行方

 

 

エルドアンは、下落をアメリカと"金利ロビー" のせいにするだろう。彼の支持者は彼を信じるだろう。

 

エルドアンが、これをうまく切り抜けるだろうという希望は無駄だ。

 

 

アメリカはこの問題をトルコに圧力をかけるのに利用している。しかし、アメリカは、この問題の根本的原因ではない。アメリカは、それをさらけ出したにすぎない。

 

 

アメリカの圧力はトルコ経済が狙いではなく、ブランソン牧師が狙いでもない。

今も、2013年以来からも、エルドアンをアメリカの狙いに従って行動させるため、圧力がずっとかけられて来たのだ。

 

 

 

彼はロシアとの良好な関係を止めなければならなくなる。彼はロシアのS-400防空システム購入を中止しなければならなくなる。

 

 

彼はロシア・パイプラインを止めるよう命じられるかも知れない。シリアに関して、アメリカの指示に従わなければならない。彼がそうしない限り、アメリカは、彼を打倒するためにあらゆることをするだろう。

 

 

トルコがアメリカの要求から逃れられる唯一の可能性はロシアと同盟強化だ。プーチンはエルドアンが自分を必要としていることを知っている。

 

 

エルドアンは、シリアに対する彼の計画を完全にあきらめざるを得るまい。

トルコや、その代理勢力が保持している全てのシリア領土はシリア政府支配下に返還されなければならない。

そうなって初めてトルコの湾岸諸国への貿易経路が再開する。そうなって、初めてロシア(とイラン)は、トルコが危機から脱出するのを助けるだろう。

 

 

 

月曜日 ロシアのラブロフ外務大臣がトルコを訪問する。

 

エルドアンはロシアの要求を受け入れるだろうか、それとも、アメリカ側に戻って、トランプとIMFに降伏するのだろうか?  それとも、彼はこの惨状を脱出する別の方法を見いだすのだろうか?

 

 

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2018/08/post-7403.html

 

 

 

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